:Ⅰ章

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そう、今日、4月9日は天之宮北高校の入学式、 よって校庭には例えば新入生やらそれを狙う部活動生など様々な人で賑わっている。 そして、この二人も例に漏れず、真新しい制服に身を包んだ新入生なのだ。 「大丈夫だよぉ。そんなに簡単にぶつかったりなんかしないよ♪」 明が人と人との間をクルクルと縫うようにすり抜けながら、続けて 「それに、ここの制服可愛いんだもん!三年間、ぜったいに汚さないし、ぜったいに傷つけたりしないよぉ♪」 などと根拠の無い謎の自信と笑顔で答える。 「三年間って…それは流石に無理だと思うんだけど…」 「それがいいんだよ!それに、昔の人が言ってたよ?『無理だと思うからやるんd…痛ッ!」 考えてみれば、 『人と人との間を回るように走り回る』 という行為は足をクロスさせることが多い訳で、つまり足をもつれさせる確率がかなり高い訳で、 そういうワケで、明の三年間の挑戦はあえなく失敗に終わったのであった…
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