:Ⅰ章

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そしてそれから約1ヶ月、一年生たちが学校に馴染み始めてきた頃… 学校終了前のホームルームにて 「ぁい、じゃ、気ぃつけて帰りなよ。 あ、それと出根は後で職員室来なさぁい」 一拍置いて生徒たちが仲のいいグループで集まり、放課後という自分たちの時間をどう過ごすかの相談を始める。 「ねぇねぇ、八重!早く帰ろうよ!灯浬ちゃんも! ほらほら、早くっ!」 「あ、ちょっと待って明ちゃん。灯理を待ってからでいいかな」 今、明と話しているのは、 七※ 灯浬(ナナホシ トモリ)といい、先ほどの自己紹介の件で不幸にもカットされてしまった26人の内の一人である。 いわゆる双子で、別のクラスに灯理(アカリ)という、瓜二つな姉妹がいる。(見分け方は、全体的に左寄りなのが灯浬で、その逆が灯理) 余談だが、彼女たちが今後のストーリーに絡んでくることは一切無い。 昇降口でしばらく灯理を待っていると明が遠目に子〃を見つけた。 「おぅい!子〃にゃ~ん!一緒に帰ろうよぉう」 と爪先立ちでブンブンと手を振る。 子〃もこちらに気が付いたらしくトテトテと可愛らしく駆けてくる。 本人的にはちょっと距離があったようで、ハァっと軽く息を整えて 「一緒に帰るのはいいけど、、、今日は駅までだから短いよ?」 と軽く首を傾げながら言うが、そんなこと明には関係ないようだった。 「いいよいいよ!楽しければなんでもいいんだよ!」 そんなやりとりをしているうちに灯理が出てきて、明、八重、灯浬、灯理、子〃の五人でお喋りしながら帰る 今日もいつもどうり、何事もなく終わるはずだった…
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