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な、何が起きたか説明するぜ。
俺が戸を開けた瞬間目の前にはフライパンが飛来してきて俺の額にジャストヒットしたんだ。
お玉とかさいばしとかチャチなモンじゃねぇ。もっと恐ろしい何かの片鱗を感じたぜ。
「いっつぅ~!」
「フライパンごときに痛がってるんじゃないよ!アタシはそんな柔<ヤワ>なやつに育てた覚えはないよ!」
額を抑える俺に対して、とんだ罵声を浴びせる特効服にエプロンというおかしな格好で、仁王立ちする女性。
その名は野家 椿<ノヤ ツバキ>、俺の母親である。
ストレートの艶やかな黒髪は腰まであり、スッと通った鼻に、キュッと引き締まった唇。そして、つり上がった黒い瞳は俺を睨み付ける。
しかもボンッキュッボンッのナイスボディーときたもんだ。
こんな綺麗でも四十近くだぜ?どうかしてるぜ。
「ッんなことより、フライパンなんか投げつけやがって、客が来たらあぶねぇだろ!」
「うるさいわねぇ、どうせアンタだと思ったから卒業式も終わってないのに何で帰ってきた。っていうためにやったのよ。」
「だったら言葉でいやぁいいだろぉが!」
「イチイチ騒ぐんじゃないよ!まったく。忙しいんだからちゃっちゃと着替えて注文聞いてきな!」
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