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そういい捨てると、お袋は厨房へと踵を返した。
さっきは説明しなかったが、うちは玄関を開けると目の前には厨房があり、玄関を入って左にいくと、四席の縦長テーブルが四つ。
その奥は座敷で、同じく四席縦長テーブルが四つある。
玄関入って右は階段になっており、二階には俺とお袋の部屋がある。
お袋のいった通り、平日の昼間だけあって、会社員やら大工やらで満席状態だ。
俺は一度ため息をつくと、二階に上がり着替えて店の手伝いをした。
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「フゥー。終わったあー。」
あれから閉店の10時半までずっと忙しく、駆けずり回っていた俺だが、やっと片付けも終わり、座敷で両手をいっぱいにひろげて寝転がっている。
「まったく、あれぐらいでねをあげるのかい?」
人を小バカにしたような顔をしながら近寄ってくるお袋。
「ンなわきゃないだろ?
……まぁでも、今日は特別忙しかったな。」
「そりゃそうよ。今日はいろんなところで卒業式があったものね。」
そういって、俺の隣に座るお袋。
すると思い出したように口を開けて、俺に。
「卒業おめでとう。バカ息子。」
と笑いかけてきた。
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