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「……ほ、本当ですか……?」
「ああ、本当だ。」
少女は俺に確認を取る。
おずおずと立ち上がると、近づいてきた。
「……。」
「……。」
………き、気まずい。なんだこの空気は…。
少女は、俺を怖がっているせいか喋らず。俺は、何を話したらいいかわからずに黙っている。
と、とりあえず自己紹介をした方がいいよな?
「あ「ひゃい!?」……大丈夫だから怖がらないでくれ。」
いちいち怖がられると、結構傷つくんだから。
「ご、ごめんなさい……。」
しょんぼりと俯<ウツム>いてしまった少女。
とたんに少女の周りの空気がどんよりと沈む。
「ん、まぁ気にしちゃいないから謝らないでいい。」
「…はい。」
しょんぼりとした空気は少し残っているが、顔を上げてくれた少女。
素直な性格なんだろうけどここまで素直だとこっちがやりにくい。
「あーと、とりあえず自己紹介をしとくわ。
俺は野家 健、18歳だ。」
「……えと、リカ=ファストゥ。15歳です。」
俺が声を発した瞬間、ビクッと肩を跳ねさせたが、俺が軽く自己紹介をすると、少女……リカは名乗り返した。
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