異世界に来たらまずは戦闘、これは一種の醍醐味だと作者は思う

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そこにリカはいない。 ……なら、外か。 俺は、玄関であろう両開きの扉へと向かう。 扉の横の壁に張り付くと、扉を少し開け、外の様子をうかがった。 外には、みすぼらしい格好のがたいのいい男が五人いた。 そいつらの一人が、怯えて今にも泣きそうなリカを人質にしている。 男たちの周りには、二十数人の人だかりがおり、男たちに何かをいっている。 怒鳴っているような声がするからここの村人たちだろう。 向かいには民家が建ち並んでいる。 男たちは、そんな怒声をあびても余裕綽々<ヨユウシャクシャク>といった感じにヘラヘラと笑っていた。 ………チッ。あーゆー笑いは相変わらず胸くそ悪い。 とりあえず、あのクズどもをなんとかしねぇとな。 一応恩人であるリカを救うチャンスをうかがっていると、リカを人質にとっているやつに動きがあった。 そいつはリカの髪に顔を近づけると、大きく息を吸う。 リカは思わず小さな悲鳴をあげるが、男は薄気味悪い笑顔で。 「ん~~、こいつは犯しがいがありそうだなぁ。」 と、ほざきやがった。 それを聞いた他の男は下品な笑い声をあげた。 ……………あ゙ぁ、もういいわ。チャンスなんざ待ってらんねぇ。とりあえず、あいつらの鼻砕いてやる……。
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