異世界に来たらまずは戦闘、これは一種の醍醐味だと作者は思う

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「………くっ、くっくっくっ。アーハハハハハ!ひーーヒャヒャヒャヒャアー!!」 俺様の焦りとは裏腹に、中のそいつは突如、笑い始めた。 ッッ!? その場にいる全員が戦慄を覚えた。 あぁ、あれはヤバい。 そう思ったときにはもう、俺様は動けなくなっていた。 直も狂喜に満ちた声で笑い続けるソイツだったが、何かを思い出したかのように笑うのを止めた。 「ッ……………あぁ。いいぜ、クソジジイ。テメェのいう異変とやらをブチ壊してやるよ……。」 誰に語りかけてるのかわからない言葉を発したソイツは、暗闇から姿を現した。 俺様はその時、初めて悪魔を見た気がした。 ソイツは、この世界では珍しい黒い髪と黒い瞳持っていた。 その程度ならまだ良かった。 だが、ソイツの黒髪は狼のような鬣<タテガミ>をし、目は、猛禽類<モウキンルイ>のような鋭いものだった。 そして、ソイツの口は弧を描き、笑っていた。 「おぶッ?!」「ガぇッ!?」ドグゴンッ!! な、何が起きた? 俺は気づくと、野郎二人を押し倒した状態で酒場の向かいの民家の中にいた。 後ろを振り向く。 そこには、壊れた民家の壁。 唖然としているクズどもと村人たち。 そして、さっきまで俺がいた酒場があった。
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