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「何だよ、それ。」
怒りが露になって
「落ち着きなさい。まだ文献だけなんだから、真実はその子しか知らないのよ?」
静かで凛とした声で言い。
少しは落ち着けた。
「こんな事する奴は帝国の者だろうな。」
優しく少女の頭を撫でてやる。
「かもね。でも帝国の者が風の民の力を手にして、何の得があるのかしら?」
ため息をつくと
「簡単だよ。兵器としてだ。その証拠に、この子の生気がかなり無くなっていたんだよ。」
「・・そんな!!生気って、人が生まれ持っている気だよね?・・・・それが大量に抜かれているなんて。」
悲しそうに俯く
「取り合えず、ここは俺に任せて一旦戻りな?たまに見に来れば良いからさ。」
覗き込み、小さな笑みを浮かべて安心させる。
人の痛みを自分の痛みとして考えている、シェルリスにとっては辛いだろうからな。
「解ったわ、頼むね。」
そう言うと鷹は飛び立ち帰って行った。
そろそろシェルリスの体力も危なかったしな。
今はこの子を救おう。
真実を知る為に。
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