2人が本棚に入れています
本棚に追加
その場は、王の一言でまたもや罵声の渦に包まれた。
この時に王の意思を尊重しようとは誰も思わなかったであろう。
誰もが思う。
“お前のようなくずは1人で死ね。”
「子どもさんは嫌われてないようだな。」
しかし、周囲の声が一層大きくなったとき、王は彼を呼び止めた。
そしてその旅人にだけ聴こえる声で…
「旅人よ!!我が子は!!城の隠し通路の先にいる。罪があるのは私だけだ……頼む。」
旅人はまた笑い、
「…王様、俺は今あんたの初めての理解者になった。安心して逝きな。」
王は頬を緩めた。
「理解とは、有難い。私も早く気付くべきだった。」
翌日、王は処刑される。
最初のコメントを投稿しよう!