静寂

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その場は、王の一言でまたもや罵声の渦に包まれた。 この時に王の意思を尊重しようとは誰も思わなかったであろう。 誰もが思う。 “お前のようなくずは1人で死ね。” 「子どもさんは嫌われてないようだな。」 しかし、周囲の声が一層大きくなったとき、王は彼を呼び止めた。 そしてその旅人にだけ聴こえる声で… 「旅人よ!!我が子は!!城の隠し通路の先にいる。罪があるのは私だけだ……頼む。」 旅人はまた笑い、 「…王様、俺は今あんたの初めての理解者になった。安心して逝きな。」 王は頬を緩めた。 「理解とは、有難い。私も早く気付くべきだった。」 翌日、王は処刑される。
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