我より強き者

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「さてさて、今宵は大いに楽しむがよい。我らはそろそろ屋敷にて、祝宴をあげようではないか、義仲様。」  多少のお酒が入られた兼遠様はご機嫌でありました。兼光様と兼平様に支えられて、お屋敷に戻ってこられました。 「さぁ御膳の準備ができております。どうぞ、どうぞ。」 「湖東、巴はまだ機嫌を直してないのか?」 「まぁ、義仲様。姫様はそこにおられますのに。」 「ん?」  薄化粧をほどこした巴様に、さすがに義仲様もびっくりされておいででした。もちろん、兼光様も、兼平様も。 「さすが、わが娘。良く似合ってるではないか。」
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