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冬が過ぎ、やがてうららかな春が訪れる頃には、あの小さな命も庭先で走り回るまでに成長していた。
それをジョージが『ミャーミャー』と言って追い掛け回している。
子猫達もまんざらでもないようで、楽しそうだ。
私は何とか家族全員が無事に年を越せた安堵感と、その小さな立役者への感謝を込めて、今回の一件について、知りうる限りを書状にしたため、領主の元へと向かった。
やがて島に猫の数が増えるとともに、人々の記憶からもペストの脅威は消えて行った。
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