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草木も眠る丑三つ時、か。
やっぱり日本の古い言い伝えなんて、大したもんじゃないんだな。
すっかり分かり切っていたことだったが、改めて実感した。
深夜二時に起きていたって、幽霊を目にしたことなんか一度も無い。
なんなら今、出てきてくれたっていいのに。……シン限定でだけど。
「……さて」
この怠忌感を振り払うように、俺は呟いた。
……寝よう。
それから俺が深い眠りにつくまで、そう時間はかからなかった。
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