実の父

2/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
私の両親は,私が小学校1年生になったGWに離婚した。   記憶にあるのは父が母を殴ったり怒鳴ったりしてるとこばかり。   そして両親が一緒にいる最後の記憶は「母が父に,『やめて!』と叫びながらしがみついている」ところだ。   母は父の暴力に耐えきれず,でも実家の両親に心配かけるわけにはいかないので,パート先の同僚の大学生のお兄さんのところに逃げていた。 父は私と弟を連れてそこに乗り込んだのだ。   父がお兄さんを柱に叩きつけている。 私はいつも遊んでくれてたお兄さんが父から暴力をふるわれている理由がわからず,そしてなぜ母がそこにいたのかもわからなかった。 そこで両親が一緒にいる記憶は終わる。     父は9人兄弟の末っ子(兄・姉・兄・兄・姉・姉・姉・兄・父)で,みんなから甘やかされて育った。 特に女兄弟から。 その結果は「わがまま・自己中・短気・見栄っ張り・外面がいい」。 いいところは「家族思い(自分の親・兄弟のみ)」。   結婚しても酔って車を運転して事故を起こす事4回,借金数えきれず。 それはすべて母のせいにされた。 女兄弟から。 「あんたが悪いから」 みかねた祖父(父の父)と男兄弟がかばってくれていたらしい。 「だからあそこにいれた」と母の言葉。   わかる。わかるよ。 私もおば達には酷い目に合わされた。 あ,私はおじ達にもだ。   兄弟が近くに住んでいたため(車で15分圏内に4人),いつでも干渉される。 父に何かあると「お前が見てなかったから」。 父は私をかばうことなく一緒になって私を責めた。 暴力もひどかった。 母がいなくなったら私が暴力の犠牲になってた。   「早く家を出たい」 小さい頃から,ほんとに小さい頃から思ってた。 それが父のせいで叶うとは…。   父は約4年前に亡くなった。 いまだにあんまり悲しくない。 正直言えばほっとしている。 ただ,たまに思い出す。 ちょっと淋しい気持ちになったりもする。 そんな父との思い出やなんかをまず書いていこうと思う。 いい思い出はあんまりないけど。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!