第一章

2/2
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「鴇貴っ…素敵すぐる…っ!」 俺は今Blood stoneのライヴに来てる。 可愛いアイドルにしか興味がなかった俺が何でこんなとこにきてるのかというと… 二ヶ月前、友達が貸してくれたCDの中にBlood stoneのCDが混ざってて、ちょっと聴いてみたらはまってしまった、というわけ。 ボーカルの鴇貴の声は、低くて落ち着いてて、なんかエロいんだ。 まさかこの俺が男の声にはまるなんて思ったことなかったからそん時はびっくりしたけど… だから先々月はBlood stoneについて勉強して、先月初めて のライヴに行った。 そんで今日は2回目。 ヴィジュアルならではの爆音にまだ耳が慣れないけど…なんとか頑張ってる。 鴇貴の声はいくら聴いても飽きないんだけどさすがに鼓膜がやばそう… あ、そろそろラストだ。 鴇貴は、ラストはいつも同じ歌を歌う。それもバラード。 それまでの激しさとは打ってかわって、会場が一気に静まり返る。 そのバラードは、愛する人への想いを綴ったものらしく、すごく切なくて綺麗で… 俺の一番好きな歌。 作詞も作曲も鴇貴がやったみたいで、裏では鴇貴が彼女のために作ったんじゃないかなんて言われてる。 _
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!