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この2年B組の窓の外の夕焼けの下には、我が西海高校の広大な敷地の向こう側に西海の町並が広がってる。
そしてこの3階の窓の下には校門と校門沿いに植えた木々、その更に内側には他クラスが担当する色んな出店が数軒あって、この時間でも外部からの来場者で出店は繁盛中だ。
俺もたこ焼きとかき氷のレモン味食いてぇな。
ちょっくら買いに行くかな。
「……あ」
無意識に声を漏らして、目の前の窓を勢い良く全開にした。
転落防止の手摺りを左手で掴みながら肩から上を外に出し、窓の下の風景の一部分に目を凝らす。
向かい合って並ぶ出店と出店の間の混雑した通りの中に、松葉杖の男が居る。
絶対遼先輩だ。
「りょ──」
大声で下の遼先輩を呼ぼうとしたその瞬間、遼先輩が見せた笑顔がそれを思い止まらせた。
遼先輩が笑顔を向けている隣に立ってるのは、西高の女子の制服を着た女。
髪型と髪色からして、その西高女子はさおりじゃない。
茶髪ミディアムのその女を遼先輩との間に挟んでる手前側の黒髪セミロングがさおりだ。
て事は、真ん中の女が衣野 慎吾の妹か。
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