SHUHEI 参

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田辺先輩と俺の前で足を止めたのは、各自かき氷を歩き食いしている5人の軍団。 その中心に居るのが声の主だ。 剣道部の同期、青嶌(あおしま) (はるか)。 「おお、青嶌」 田辺先輩は寄り掛かっていた窓辺から離れて姿勢を正し、爽やかな微笑で青嶌と対面する。 俺は腕組みして窓に背中を凭れさせた状態から微動だにせず、田辺先輩と微笑み合う青嶌の顔をじっと見据えた。 「蔵馬と何話してたんですか?」 「うん?中学時代の仲間の話」 「仲間って、並木中の剣道部のですか?」 「まあ、そうだな」 田辺先輩は部活中以外は人当たりが良いから、青嶌とにこやかに会話してる。 でも俺からすりゃ「お前に関係ねぇだろ」っていう。 「それってもしかして小木原君の話とか?」 にこやかな青嶌が次に出した質問が、簡単に言い当てられた田辺先輩と俺を驚かせた。 しかし青嶌はそれを気にする素振りを見せずに話を続ける。 「さっき下で見掛けましたよ。かなり目立ってましたけど、小木原君あの脚どうしたんですか?」 何だ、そういう流れで分かったのかよ。
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