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「えーと……何の話だっけ?」
「さおりの友達についてっすよ」
「あ、そうだそうだ」
青嶌から精神的苦痛を受けた田辺先輩はどうにか自分を取り戻せた模様。
「まあ彩……さおりちゃんの友達の話はいいとして」
田辺先輩は衣野妹の話を終わらせようとしてるが、俺はまだまだ調査し足りない。
が、田辺先輩はその不満を一気に払拭させる話題に入った。
「小木原、また剣道やるよ。早くても受験の後だろうけど」
不意打ちに最良の話題を出された俺は目玉を最大値までひん剥く。
「えっ!遼先輩がそう言ったんすかっ!?」
「いや、別れ際までしら切ってたけど。でも俺は確信した」
何だよ、田辺先輩の憶測かよ。
でも田辺先輩がそう予言するなら信憑性もある。
「さっき練習場に連れてってさ、丸腰のあいつにいきなり竹刀向けたんだ。そしたら松葉杖で弾いたんだよ、あいつ」
俺に語る田辺先輩の横顔は、喜びの笑顔を溢れさせている。
「鳥肌立ったね。やっぱり小木原は燻ってちゃ駄目な奴なんだよ」
遼先輩と戦いたいという気持ちが高ぶっている表れだ。
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