SHUHEI 参

19/34
前へ
/751ページ
次へ
「さおりちゃんも翔くんも俺の前じゃ小木原を立ててるし、礼儀正しくて良い子達だよ。でも蔵馬には違うって事は、小木原三兄弟と蔵馬は砕けた仲だっていう証拠じゃないか?」 俺が遼先輩とさおりと翔と砕けた仲? 言えてる。 「相手は自分を映す鏡だって前に言ったろ?蔵馬が砕けた接し方するから、相手も砕けた付き合いしてくれるんだよ」 あの三兄弟は、恭平に対する態度と俺に対する態度が全く違った。 恭平には下手に出る癖に、俺には毒舌を吐きやがる。 遼先輩が1コ下の後輩の俺に対してそうなのは当然と言えば当然だけど、俺より年下のさおりと翔でさえそうだ。 それは俺が遼先輩にもあいつらにも威張ってるから、俺への仕返しみたいなもん。 「俺は人にどう思われるか気にしちゃうから、お前のその形振り構わない性格は羨ましかったりするよ。“しなかった後悔”より“した後悔”の方がいいもん」 田辺先輩は嫌味でそう言ってるんじゃなく、それが本音なんだという事がその表情から判る。 人にどう思われようと我が道を突き進む俺が羨ましい、と。 あんまり良いもんじゃないんだけどな。
/751ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3080人が本棚に入れています
本棚に追加