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「さおりちゃんも翔くんも俺の前じゃ小木原を立ててるし、礼儀正しくて良い子達だよ。でも蔵馬には違うって事は、小木原三兄弟と蔵馬は砕けた仲だっていう証拠じゃないか?」
俺が遼先輩とさおりと翔と砕けた仲?
言えてる。
「相手は自分を映す鏡だって前に言ったろ?蔵馬が砕けた接し方するから、相手も砕けた付き合いしてくれるんだよ」
あの三兄弟は、恭平に対する態度と俺に対する態度が全く違った。
恭平には下手に出る癖に、俺には毒舌を吐きやがる。
遼先輩が1コ下の後輩の俺に対してそうなのは当然と言えば当然だけど、俺より年下のさおりと翔でさえそうだ。
それは俺が遼先輩にもあいつらにも威張ってるから、俺への仕返しみたいなもん。
「俺は人にどう思われるか気にしちゃうから、お前のその形振り構わない性格は羨ましかったりするよ。“しなかった後悔”より“した後悔”の方がいいもん」
田辺先輩は嫌味でそう言ってるんじゃなく、それが本音なんだという事がその表情から判る。
人にどう思われようと我が道を突き進む俺が羨ましい、と。
あんまり良いもんじゃないんだけどな。
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