SAORI 6

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一真からこんなに乱暴に扱われたのは初めてで、驚きの次に恐怖感が芽生え始める。 感情を表さない無の表情で淡々と私を責める所も。 「か、一真……ちょっと……っ」 上半身を密着させて両手首を両手で捕えた状態で私をベットに押さえ付ける一真は、襟が大きく開いたシフォンブラウスぎりぎりの鎖骨まで首筋から唇でなぞった。 両手首を囚われつつ上半身を動かして抵抗しても、彼は動じない。 そして私の左手首から放した右手で、私のブラウスの裾を胸の上まで一気に捲り上げる。 「ちょっと、嫌だってば!一真、()めて!」 両脚をバタ付かせて左手で一真の右肩を押しながら必死に抵抗しても、一真に止める気配は皆無だ。 そして再度私の左手を右手で掴み、腹部からブラの下に掛けて上へゆっくりと唇を移動させる。 「やだ……!ねえ、お願いだから()めて!」 嫌だって言ってるのに全然聞いてくれない。 まるで強姦されてるみたいで、怖くて辛くて哀しい。 自分の彼氏なのに、彼氏じゃないみたい。 ──あの頃の一真は何処に行っちゃったの? 「…………ひっ……く」
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