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「ま。もしまたお兄ちゃんの友達を好きになっちゃったとしても、相手もあたしを好きになってくれないと同じ事の繰り返しにはなんないしね。確率的にもう無いんじゃない?」
彩芽側は、慎吾くんの許可を取るつもりのある人ならば慎吾くんの友人でも恋愛対象という事。
極論、うちの兄も。
彩芽を掴まえられるかや離さずにいられるかは兄次第。
問題は、慎吾くんの妹である彩芽を掴まえる気が兄にあるかどうかだ。
謙司さんみたいに彩芽が友人の妹である事が足枷になっているのなら、私はもう小細工は出来ない。
兄自身は彩芽への恋愛感情を自覚したらどう出るんだろう。
彩芽の事は諦めようとするか、そのまま突っ走ろうとするか。
いや、諦めようとするにしても簡単に諦められない事は桜さんへの恋から実証されている。
兄と彩芽の二人が好き合って交際する事が私の目標だったけれど、現実はそんな単純なものではなかった。
謙司さんと彩芽の話を聞けて本当に良かったと痛感する。
兄も彩芽も苦しませたくない。
後はとにかく兄の心情を探り出して、それ次第で私も退くか退かないかを決める。
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