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桜は俺の家の敷地、家の中に自由に出入りする。
逆に俺達も桜の家の敷地や家の中に自由に出入りする。
隣に住む幼馴染みだし、親同士も親しいし、互いの親は互いの子供も信頼していた。
桜の親から『桜を護ってあげて』って言われた事だってある。
俺達は桜の幼馴染みであり、姫の護衛。
でも桜の一番の護衛は俺じゃなかった。
「あ!桜ー!」
遊びに行ってた友達の家から帰って来た男が、一番の桜の護衛。
「恭平!」
姫は満面の笑顔でその護衛に駆け寄って行く。
姫自身が一番護って欲しい幼馴染みは、俺じゃない。
「どこ行ってたの?」
「雄太ん家でゲームしてた!」
「この間言ってた新しいゲーム?」
「めっちゃ面白かった!」
庭の真ん中に近距離で向かい合って立ち話する姫と護衛は、本当に楽しそうに笑顔で話す。
桜が一番頼りにしてるのは、1学年下の俺じゃない。
桜と同級生の長男、恭平だ。
俺があと4ヶ月でも早く生まれてたら、なんて何回考えたか分からない。
それ位、1学年差はデカい。
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