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「成程ね、それなら小木原は俺とは違うかな」
「でっしょ!? 一般的な兄貴じゃないっしょ!?」
「うん。うちの妹達は蔵馬とそういう事するような関係じゃないから」
田辺先輩がやっと解ってくれたようで意気揚々とする俺を、田辺先輩の次の返しがまた唖然とさせた。
「そんな事までしてたんだ?それは予想外だった」
クスクス笑う田辺先輩が何を言考えてるのか、理解した俺はサーッと青褪めていく。
遼先輩のシスコンさを発信したのに、田辺先輩は俺とさおりの逸話として受信した模様。
「いやいやいや、だから俺が言いたいのは」
「うん、それももう分かったよ。確かに俺が見てる小木原家と蔵馬が見てる小木原家は違うみたいだな」
どうにか話の主旨を戻したくて懸命に訴えようとする中、田辺先輩は小さく笑いながらスポーツドリンクを一口飲む。
そしてペットボトルにキャップを被せつつ俺に向き直った。
「蔵馬、さおりちゃんのこと結構好きなんじゃないの?薪森を除いたら一番好きだろ」
は?
桜を除いて一番好きなのはさおり?
俺の話?それ。
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