SHUHEI 捌

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俺は本音で付き合いたいから、上辺だけの嘘っぱちで薄っぺらな関係性は御免だ。 さおりにも翔にも腹立つ事だって多いけど、それを我慢して遼先輩に会う為だけに小木原家に行く訳じゃない。 あの家に行くのが好きなのは、あの家族が好きだからだ。 「ムカつくとか何とか言っても、何だかんだ連絡し合ったりしてるんじゃないか。興味無い相手だとスルーする癖に」 田辺先輩が軽く苦笑いを浮かべてそう言うが、興味無い相手と連絡取らないのは当然だ。 さおりは遼先輩とは切り離せないし、世話になってる小木原家の一員だし、スルーするとかしないとかいう次元の相手じゃない。 「何か無理矢理そっち方面にこじつけたいみたいっすけど、俺が好きなのは桜のみなわけ。一番好きとか二番目に好きなんて二股野郎みたいな思想持ってないんすけど?」 俺は田辺先輩の不可解な言動を嘲笑しながら跳ね返した。 これでもう妙な言い掛かりは出来まい。 「薪森が蔵馬じゃない他の誰かと結婚して、完全に望みが消えたとしたら?まさか不倫でもいいとか言ってストーカーみたいに追い掛け続けるつもりでいる訳じゃないんだろ?」
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