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「『は?』じゃねーよ。俺らインターハイで優勝したんすよ?超凄いっしょ?超羨ましいっしょ?超嫉妬しちゃうっしょ?」
遼先輩の憎たらしい反応に、更に憎たらしい追い討ちを掛ける俺。
俺がこんな性格だから遼先輩は俺に冷たいんだな。
まあ怖いけど基本は優しくて愛情深い人だから、俺は遼先輩を好きになって懐いた訳だけど。
「チッ。はいはい凄い凄い。優勝おめでとうございます」
しかし遼先輩は仏頂面のまま顔を俺から逸らして、舌打ちまで鳴らしてから心無い棒読みで言いやがった。
ここまで捻くれてると逆に分かりやすくて清々しささえ感じる。
これは俺達の団体戦優勝に対する嫉妬と、田辺先輩の個人戦準優勝に対する嫉妬と焦りが原因か。
後で後悔して嫉妬する位だったら最初っから剣道辞めんじゃねえっつの。
当時の遼先輩は精神的におかしくなってたから仕方なかった部分もあるけど、俺に尋常でない位の精神的ダメージ与えやがって。
「まあまあ。ところで今日はさおりちゃんは?」
俺が遼先輩に呆れの眼差しを送ってる最中、田辺先輩がぬけぬけと遼先輩と翔の二人に問い掛けた。
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