SHUHEI 玖

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「え?西海高って、うちの学校?……軽音部の部長?」 笑顔で案外簡単に答えたさおりの口から出た人物は、田辺先輩を驚かせている。 そして俺もかなり驚いた。 「はい。西海高では軽音部は有名だって聞いてますけど」 上機嫌なのか妙にニコニコしてるさおりの言う通り、軽音部やそこの部長はうちの学校で有名だ。 スポーツ強豪校なのに軽音部が有名な理由は、文化祭だけでなく体育祭や壮行会なんかの色んな行事でバンド演奏する機会が多いからだ。 何で軽音部が特別扱いされるのかっていうと、教員達をも魅了する実力と生徒達からの人気を誇ってるから。 そして何せ、何故か今日さおりが会って来たっていう部長がめっちゃ良い歌声を持ってる。 「有名だけど……さおりちゃんは何で久藤を?」 「この間知り合ったんです」 「どうやって?」 そうだそうだ、何で西高生のさおりが久藤先輩と個人的に知り合って会ったりするんだ。 「彩芽のお兄さんが謙……久藤さんと友達なんです。彩芽の家に遊びに行った時に久藤さんも居て、それで」 はあー?
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