SHUHEI 玖

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「会ってディスク貰ったって事は連絡先交換してるんだ?久藤と」 「え?いえ、彩芽を通して連絡貰っただけですよ。久藤さんの連絡先は知りません」 「……そうなの?」 「彩芽と一緒に待ち合わせ場所に来たし、久藤さんと二人で会った訳じゃないです」 「へえ……」 さおりから詳細を聞いた田辺先輩は、自分から質問しておいて何故か意気消沈していく。 そんな事より俺は遼先輩の反応が気になってチラ見してみた。 愛しい衣野妹が男と一緒だったなんて、久藤先輩の事を知らなかろうと遼先輩の心中は穏やかじゃないはず。 「一緒に来たって、久藤先輩ってその彩芽っていう子と付き合ってんの?」 「え!? やだ、違いますよ!元カ……ら幼馴染みだし仲良いんですよ。慎吾く……彩芽のお兄さん起こして3人でカラオケ行くって言ってましたし」 巧とさおりのやり取りを真剣に聞く遼先輩は、案の定その顔を曇らせてる。 衣野妹が久藤先輩と仲良くて、今頃一緒にカラオケに行ってるって聞いたからか。 完全にヤキモチじゃん、桜と恭平に対する顔と同じ顔してんじゃん。 さっさと認めろよ、アホ。
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