SHUHEI 玖

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あーあー、やだやだ。 もし衣野妹と付き合えたとしても、束縛が激しくて結果捨てられてストーカー化しない事を祈るわ。 しかし、久藤先輩とカラオケなんか行って密室であの歌声を聴けるなんて、恋に落ちたりしないのか?衣野妹は。 遼先輩を散々たぶらかしておいて絶望の淵に突き落とすのは頼むからやめてくれよ。 「久藤に柳田の分も頼んであげよっか?」 「え!俺のもいけます!?」 「ディスクかディスク代ぐらいは渡せばね。他の奴等もそうやって貰ってるよ」 「そうなんだー。じゃあディスク用意しまーす!」 田辺先輩が巧をフォローしたお陰で場の空気は直ぐに良くなった。 田辺先輩による暴君の尻拭いは中学時代からの当番というか最早日常だ。 「下らねぇ話してないで食えよ。お前らの祝賀会だろ」 遼先輩はぶっきらぼうに俺達を促し、自身も遠慮無く料理をがつがつ食ってる。 「お。小木原にも祝ってくれる気持ちはあるんだ?」 「は?無いなんて言ってねぇだろ」 「ですね」 暴君だろうと皆が遼先輩を好きなのは、特定の事以外では無害だし、何だかんだカッコイイからだ。
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