SHUHEI 拾

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言った、遂に言った、言っちまった。 ちゃんと桜と視線を合わせて、威風堂々と発表してやった。 自力で主将の座を勝ち取って、自分の口から報告して、自分のやるべき事はやった。 後は、桜がどう出るかのみ。 1番、心の底から喜んでくれる。 2番、上辺だけでも喜んで見せる。 3番、あからさまに困る。 正解は……。 「本当!? やったじゃない!」 真正面から飛んで来たのは、歓喜を表現した大っきい声だった。 内心ビクビク状態の俺の心配事が一瞬で吹き飛ぶ程の、弾けるような笑顔をパアッと咲かせた桜の表情と一緒に。 どう見てもこれは3番ではない。 かといって2番でもない。 17年一緒にいた俺の目にも明らかに、正解は1番だ。 嘘偽りの無い笑顔。 「ふふふふ、ああー、良かったー」 両肘をダイニングテーブルに着いた両腕ごと上半身をふにゃっと横に傾けて、肩の力が抜けたような仕草をしながら笑う桜。 喜びだけじゃなく、安堵まで混ざってる。 俺が主将になる事を心から願ってくれていたっていう何よりの証明だ。
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