SHUHEI 弐

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    タルい授業が全て終わって久々に部活が無い放課後、西海高校を後にして最寄りのコンビニの駐車場に突っ立つ俺は、携帯を出して画面にアドレス帳を呼び出した。 うちの学校が放課したんなら西高も放課したはずだ。 画面のアドレス帳から“小木原 さおり”をクリックして、そのまま電話を掛けた。 《はい、もしもし》 「学校終わったか?」 《ついさっき。今何処?》 「学校近くのコンビニ」 《西海高校の?》 「場所分かるか?」 《分からないし、西海高校じゃ西高より並木(なみき)町から遠いじゃない。他の場所にしてよ》 確かにそうだけど、やっぱりズケズケ物言う女だな。 田辺先輩には感じ良く接してるらしい癖に。 「ちょっと寄っただけだし『此処に来い』とは言ってねぇだろが」 《じゃあ何処で待てばいいの?》 「んー……じゃあ並木公園。今から向かうからお前も移動しろ」 《並木公園?分かった》 「じゃな」 通話を終了させて携帯を閉じ、溜息を吐きながらコンビニの駐車場から離れた。 距離的に並木公園に先に着くのはさおりだし、早く向かわないと。
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