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「ただいまー」
「ただいま」
「お帰りなさーい」
20時過ぎ、中心街で用を済ませた私と弟は揃って帰宅した。
リビングに入ると両親が夫婦水入らずでソファーに座って晩酌中で、兄の姿は無い。
「お兄ちゃんは?」
「さっきお風呂上がって部屋に戻ったみたい。晩御飯中は珍しく一人っ子状態だったもんだからちょっと寂しそうだったわ。うふふー」
日本酒でほろ酔い気分の母は笑って私と弟にそんな報告をする。
「翔、良かったわねー。お姉ちゃん独り占めデート出来て。楽しかった?」
「意味が分からない。お風呂入る」
「ふふー。照れちゃって」
母に弄られた弟はつんとしてリビングを出て行き、それを母と父が微笑ましげに見送る。
弟と一緒に海外ブランド店へ行ってキーケースを購入した後、ゲームセンターで少し遊んでから外食して来た。
兄に嫉妬する弟の御機嫌取りも兼ねて遊んだのだけれど、結構素直に楽しんでくれていた。
「お兄ちゃんのプレゼント買えたの?高くなかった?」
「大丈夫、予算内だった」
「そーう。うちの子達は堅実に貯金するから将来も安心だわぁ」
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