SAORI 1

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彩芽にはもっと良い人がいるし、そしてその人はきっと彩芽を必要としてる。 「じゃね、また明日ー!あ、夜メールするかも!」 「うん、分かった。バイバイ」 正門前に着くと彩芽は私に手を振り、制服のスカートを翻して長い美脚を綺麗に動かし、少し癖が掛かった肩までの長さの栗色の髪を靡かせて歩いて行く。 私は遠ざかる彼女の後ろ姿を少しの間見送り、彼氏の一真との待ち合わせ場所へ向かった。 高校の入学式の日に友達になった彼女・衣野 彩芽との付き合いは、まだ2ヶ月弱。 まだまだ短い付き合いだけれど、私は彩芽が好きだ。 明るくて、サバサバしていて、人懐こくて。 可愛くて綺麗で、長身で小顔で細くて手脚が長くて、当然ながら男子に人気があって彩芽に憧れている女子も多く、逆に彩芽を妬む女子も少なくない。 かくいう私自身も彼女の容姿やセンス、内面に憧れている一人。 笑顔が眩しくてキラキラしていて、表情が豊かで、喜怒哀楽がはっきりしていて、素直で。 ああ、そうか。 彩芽もあの人と似てるんだ。
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