SAORI 4

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基本的に兄は今でも人と話す事は嫌いじゃないらしく、その時の精神状態で人と関わるかどうかの次元で生きてるのかもしれない。 「お兄ちゃん子供好きだっけ?」 「普通」 「嫌いではないんだ?じゃあ私や翔に子供産まれら可愛がる?」 「糞生意気だったら無理」 「でも柊平くんは何だかんだで可愛がってたよね。自分の甥や姪なら生意気だろうと凄く可愛がっちゃうんじゃないの?」 「生意気に育てんじゃねぇよ、そもそも」 兄はテレビ画面から視線を外さないし口調もぶっきらぼうだけど、会話は続いている。 例え相手が私だろうと、今は人と関わっていたい精神状態なのかもしれない。 桜さんと一緒に居られて幸せではあっても気は遣うし、癒してくれる彩芽に逢えないし。 「お兄ちゃんて娘生まれたら何も出来なさそう。ずっと私と一緒に暮らしてるのに何で女の子の扱い下手なんだろね」 「……うるせえな」 「まあ、息子は上手に育てるタイプだと思うし、未来の奥さんに男の子産んで貰いなよ」 で、その奥さんが彩芽だと尚良し。 兄と彩芽の子供なら可愛くて仕方なくて何でもしてあげちゃいそう。
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