SAORI 2

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自宅前の道路、自宅まで後4軒という沢村さん宅前。 夜道で背後から声を掛けて来た相手は、くりくりの大きな瞳の持ち主だった。 でも目の前で私を見つめている彼は、髪型が違う。 一真が通う西海高校の紺ストライプのネクタイ、グレーと青緑のチェック柄スラックス。 身長は目測175㎝前後。 ニコニコしてない、意地悪そうな顔付き。 「おい、さおり」 スラックスのポケットに両手を突っ込んで私との距離を縮める時の、偉そうな歩き方。 意地の悪そうな喋り方。 偉そうに呼ぶ私の名前。 「お前さおりだろって。久々に会ったのに無反応かよ?」 私の眼前で立ち止まって偉そうに私を見下ろすこの男は、彼とは似ても似つかない。 蔵馬 柊平。 兄の後輩の悪ガキ、柊平くん。 「きゃあああああああ!」 私は肩を竦めて両手を胸元で握り、見開いた目で彼を見つめたまま後退りした。 余りの驚きで、近所迷惑な悲鳴まで上げてしまった。 「なっ……てめー何なんだよその反応!」 この鬼の形相、正しく柊平くん。
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