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「キスしてた」「二人だけの秘密」なんて、一真からすればジョークだろうと不愉快に決まってる。
だから柊平くんが母にそう言った時は私も焦ったし、TPOを弁えない柊平くんに苛立ったけれど。
「冗談だって言ってたでしょ?私を女扱いしてない人だよ?」
「女扱いしてるからこその台詞だろ、あれって」
「それは、お兄ちゃんがシス……」
と言い掛けた所で、思い止まって結局言わない事にした。
兄がシスコンか否かの検証をしていたと話せば、一真が兄に対して更に余計な偏見を抱き兼ねない。
ただでさえ家に来たがらない一番の理由が兄なのに。
「そもそも何であの人追っ掛けてって一緒に戻って来るんだよ。どう考えても怪しいだろ」
「あれは、柊平くんがお兄ちゃんに怒られたから心配になって……」
「何で心配すんの?特別だから?」
一真は無表情のまま淡々とした口調で次々と疑問点を挙げる。
それに少し圧倒される私は、どう説明すれば誤解されないのか考える為に無言になってしまう。
すると一真に左手首を強く引っ張られ、瞬く間にベットの上に押し倒されていた。
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