SHUHEI 捌

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だったら田辺先輩は何で遼先輩が嫌な気分になると思った? 俺が桜一筋なのは遼先輩もよく知ってるし、シスコンじゃなきゃ俺がさおりと連絡取り合ってようとムカつかないはずだ。 遼先輩は自分が何でも知ってる立場じゃないと嫌だっていう自分至上主義タイプじゃないし、寧ろ逆に大抵の事には無関心。 ていうか、それより。 「あれをシスコンだと思わないんすか?嘘でしょ?」 「普通じゃないか?寧ろ俺のとこよりドライな位だし」 「はあああ!? あれがドライ!? じゃあ田辺先輩は母親にシスコン認定されてんすか!? 妹を弟より依怙贔屓してんすか!? 気取ってる弟にシスコンって罵倒されんすか!? 後輩が妹とレスリングしてたら殺気立つんすか!? これはシスコンじゃなくて一般的な普通の兄貴なんすかっ!?」 眉を吊り上げながらマシンガンの弾をぶっ放すように次々と証拠を浴びせると、田辺先輩は呆気に取られた顔をした数秒後にプッと笑みを溢す。 「ははは。俺は弟いないよ」 「いや、そういう事じゃなくて!」 「解ってるよ。小木原の事ね」 優しく笑ってそう返す田辺先輩はソファーの背凭れに背中を預けた。
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