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彩芽は大学生と付き合っているけれど、私の予測では彩芽はもうじき彼と別れる。
というか別れてくれないと嫌。
「どうして?何かあったの?」
もう少し彼氏との近況を探ろうと、彩芽の顔を下から覗く様に見つめて尋ねた。
すると彩芽は私と目を合わせてからまた苦笑いを零し、下駄箱の戸を閉めて歩き始める。
私も彼女に着いて一緒に玄関を出、正門の外へ向かって並んで歩いた。
「いやね、あいつ浮気してるみたいなんだよね」
そして彩芽は真っ直ぐ前を向きながら隣の私に話してくれた。
彼氏が浮気……これはもう別れの決定打だ。
「浮気現場目撃した友達が何人かいてさぁ。ま、あたしも薄々そんな気してたんだけど」
あははと笑いながら語る彩芽を見て、私は確信に近いものを得た。
彩芽は彼氏を本気で好きな訳ではない、と。
「だから明日会ったら問い詰めて、浩太の様子次第で別れるつもりなんだ」
彼氏の様子なんてどうでもいいじゃない、絶対に直ぐ別れるべき。
そう言いたくて仕方ないけど、胸の内に留めて聞き役に徹した。
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