第三章

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  寒さも本格的になってきた12月。 さすがに屋上に行く頻度は少なくなった。 そこで屋上の代わりになったのは、自転車置き場の隅。 何本か木が植えられており、その間に入ってしまえば人目からも隠してくれるのだ。 何故二年間もこの学校にいて、この場所に気付かなかったのだろう。 そして今日も私はそこにいる。 もうすぐ授業終わるかな。 次は……あ、昼休みだ。 帰りに購買寄ろう。 そんなどうでもいいことを考える私。 煙草は最近拓也が口うるさいから減らしているので、他にすることがないのだ。 最近は単位の足りない授業だけ出て、それ以外の時間はもっぱらこの場所でこうして過ごしている。 うん。屋上にはかなわないけど、ここもなかなか落ち着く。 私は残り少ない時間をつぶす為に、寝ることにした。  
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