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ゲームという電子上のもう一つの世界には、必ずと言っていいほど反則が存在する。
その反則はよくチートと呼ばれ、基本的には侮蔑の対象だ。
しかしながら、チートをするには、ソレ相応の電脳力、または金銭といった対価が必要になる。
ならば、チート同士で競わせてみたらどうなるだろうか。
同じチート同士ならその行為は反則とはいえない。
純粋な電脳技術の対決。
それを建て前としてチート合法のインターネットゲームは公開された。
『illusory』
そのゲームは夢心地という名が着けられた。
――――――――――――――
日が出てきたみたいだ。
といっても、よくわからない。
というのも、カーテンを締め切っているからだ。
パソコンの右下には7月22日4時30分と表示されている。
そこから考えても、外の世界に朝が来たことは明白だ。
ソコまで分かれば、この物が散開した部屋を苦労して泳ぎ、カーテンを開けに行くほどのことでもないだろう。
兎にも角にも、今日もまた、僕はニートである。
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