雪の街

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「ただいま」 「お…おかえり」 おじさんは笑う 私の肩に積もった雪が面白いらしい おじさんのツボはよく解らない 「鼻先が真っ赤だ」 「雪だもの」 「冷たいな。ココアをいれよう」 おじさんはキッチンに歩きだす と、一度だけ振り向いて、私に聞いた 「雪の街はどうだった」 私はドラマのセットみたいにがばがば雪のふる灰色の街を思い出す 「なんかね、違う国みたいだったよ」 ふーん、と言っておじさんはキッチンへ行ってしまった …おじさんが聞いたくせに! だけど私は言わない 違う国みたいな雪の街は幻みたいで、はやくおじさんに会いたかった、なんて (暖かい家の中ココアを飲もう)(遠く見える雪の街が幻でも)(あなたと居れば、怖くはないよ)
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