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「やめろっ!連れてくなっ!オカン!」
叫びも虚しく、エンジンをかけた車は走り去って行った。
俺はその場に崩れ落ちる。
涙がとめどなく溢れてくる。
『オカン。涙は、いつになったら枯れるの?』
幼い時、オカンに聞いたのを覚えている。
『涙はね、枯れないのよ。悲しい事があって、泣き続けても枯れないの。不思議ね。』
そんときのオカンは、優しく笑って言った。
『ふぅん…』
幼かった俺は、納得せんかったのを覚えている。
「ジョニー君、時には現実を受け止めなアカンの。…分かるよね?」
分からへん。
分かりたくもない。
そんな事。
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