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「親にな、虐待されててん。」虐待…。
俺はされたことはなかったけど、なんとなく、似ている。
「3歳んときに警察が保護してくれたんやけどな。俺は覚えてへんねんけど…。警察に保護されてすぐに、この“こどもの家”に引き取られたんや。俺的に、施設は悪いとこやないし、むしろ快適やった。虐待する親なんかおらんし。……でも…、やっぱり、どんな親やったとしても、思い出すねん…。そして…寂しくなんねん……。」
エースは悲しげな目で床を眺めていた。
“どんな親やったとしても、思い出す…。”
俺は、思い出したかない。
思い出して、寂しくなんか絶対ならへん。
でも……エースはちゃうんやね。
俺は気付かへん間に、エースに心を開いとった。
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