新しい生活

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俺達の部屋に入り、荷物を整理する。 「…なんでここに来たん?」 エースになら、なんでも言える。 「…親戚皆、俺を引き取りたかないんやと。『私んちは無理やー』とか言うて。」 「ふーん、そうなんや。」 エースは特に同情もせんかった。 ありがたかった。 同情なんて、されたなかったから。 オカンの通帳の中を見た。 そこには、びっくりするくらい数字が並んどった。 オカン……。 親父の酒分を俺の為に残しといてくれたんやね…。 涙が頬をつぅ…と伝う。 エースにバレへんように、すぐに拭った。  
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