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「貴方が……チョコ神様?こんなに小さいのに?」
それは当然の疑問。
「小さいとか言うな!……まぁ、ズイロのチョコに免じて許してあげる。僕は『かんよー』だからね」
「へぇ~。よく『寛容』なんて難しい言葉を知ってるね。こんなに小さいのに」
「だから子供扱いするなぁ!はぁ……それで?願い事は『宮下君と両想いにして欲しい』だっけ?」
「あ、うん。チョコ神様の力で私の願い事を叶えてください!」
「あのね、最初に言っておくけど僕はそんな力は持ってないんだよ」
「え?そうなの?」
「誰が勝手にそんな噂を広めたのか知らないけれど、僕はあくまでもこの町の『土地神』なんだからね。ここで町に住む総ての生物を見守るのが僕の役割」
「ふ~ん……て、どういう事?」
「要するに、僕には君の恋愛を成就させる事は出来ない」
「何それ!?ズイロのチョコレート食べたくせに!」
「うん。だからね……僕は君の願い事が終わるまで見守る」
「終わるまで…?」
「そう」
神様は不適に微笑む。
「君が『宮下君の恋人になる』か『宮下君にフラれる』まで。それがこの『願い事の終わり』だよ。叶うか叶わないかは君次第なんだから」
甘党な神様は気まぐれだった。
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