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土砂降りの中を歩く二人
誠人「カナって小さい頃からあめ玉が好きだよな」
カナ「うん。舐めてると何か落ち着くんだよねー」
誠人「ふーん」
カナ「じゃあ誠人にもお裾分け。はい!」
誠人「さんきゅー……って、これ何味?」
カナ「んー?それはハバネロ味かな」
誠人「……やっぱ遠慮しとくわ」
カナ「はー……アメはアメでもrainじゃなくてcandyが降ってくれば良いのになー」
その時、誠人の傘に何か小さな個体が落ちてくる
カナ「あ!キャンディー!」
誠人「そんなバカな……」
頭上を見上げると一羽の鳥
誠人「何だあの斑模様の鳥…みたことない種類だ」
カナ「きっとあたしがお願いしたからあの鳥さんが叶えてくれたんだろうねー。ありがとー優しい鳥さーん!」
カナが鳥に手を振る
誠人「でも何処かで見た記憶があるんだよな……あの模様……」
『お前怪我してるじゃないか……待ってろ。今手当てしてやるからな!』
誠人「いや、でもあれは……」
カナ「ん?どうしたの誠人?」
誠人「なんでもない。ていうか落ちた飴食べるなよ!」
カナ「いや、だってせっかく鳥さんがくれたのに頂かないのは失礼じゃない?あー!これ濡れ煎餅味だ!」
誠人「はぁ……お前はいつも気楽で良いよな」
カナ「美味しい~」
チャイム
カナ「誠人ー雨上がったよー」
誠人「ああ、また降り出さないうちに帰っちまおう」
カナ「今朝キャンディーくれた鳥さんにまた会えると良いなー」
誠人「鳥……ね」
『模様が斑だからお前の名前はマダラだ!』
誠人「マダラ……」
カナ「ん?誠人何か言った?」
誠人「……別に何も」
カナ「うー……今朝から誠人変だよ?というよりあの鳥さんと会ってからかな?」
誠人「だから何でもないって。早く帰ろう」
カナ「うん……」
誠人「アイツがマダラのはずがない……だってマダラは……」
カナ「あー!鳥さんいたー!今朝はありがとーねー!美味しかったよー!」
誠人「おい、カナ、声が大きいって」
カナ「何よー。キャンディーくれる鳥に悪い鳥はいないっていうじゃない。ちゃんとお礼言わなきゃダメだよ」
誠人「そんな格言初めて聞いたよ俺は」
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