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あれから1、2ヵ月が過ぎてまだまだ冷え込む3月の事。 俺の視力は更に悪化し、強い光を受付なくなっていた。 白くてもどこか淡く黒く見えてしまう。 もちろん眼科に行って受診をした けど、別に太陽や銀世界で目が焼けたりや緑内障や白内障でもなかった。 原因不明だそうだ。 僅かに人の形がわかる程度だが とりあえずとして眼鏡をかければ人の顔はわかる程度になる、 だけど、やはりどこか暗く全体がみえる。 「晋さん…大丈夫ですか?どこか具合悪そうですよ?」 「大丈夫だよ千華。ちょっと目眩がしただけだよ」 千華はというと、最初の頃より凄く目が良くなった。 人の形もはっきりわかり、色や模様までも。そして、しっかり顔の認識も。 常識も身につき今ではバイトをして、家事までやってくれている。付き合ってなどない、体の関係すらない。まるで兄妹のような関係だ。 そんな俺は今はバイトをやめて千華に面倒をみてもらってしまっている。これではどちらが年上かわからないぐらいだし、まるでヒモ男のようで俺はなんだか居心地がわるい気分だ。 「千華。目の調子は大丈夫なの?」 「大丈夫ですよ!……でも逆に晋さんの目が……」 「大丈夫大丈夫。眼鏡さえかけていれば大丈夫だよ。心配しないで」 そう。まるで俺と千華の視力が入れ替わったように思うようになっていた。
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