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死ぬことも人生のなかでならきっと遅かれ早かれあるだろうと思っていた。 でも、いつからか。 近所で殺人事件が起こっても  なんで俺じゃなかったのだろうか。 と思うようになっていた。 生きる意味も、誰かと生きていくのもきっと疲れていたのかめんどくさいと思っていたのか。 この世の中で 仕方なく 過ごす為に仕事して。 怠惰 だったのかも知れない 今なんにも見えなくなって、必死に生きようとしていた千華をみて 世の中の色が白黒から徐々に鮮やかに見えていた。 俺がみようとしなかっただけで、世界いろんな色に溢れていたのかもしれない 今更命乞いなんて出来るわけない。 きっと今命乞いをしてもまた無駄にいきて。 千華とも別れるのに… 「晋さん…またあなたは、生きると言う選択を捨てて怠惰を貫いたんですね。」 「…千華」 「優しくなんて呼ばないでください。私の役目は生きる価値も死ぬ価値もない人間のもとに遣わされた天使のなりそこないです。」 「千華…千華…」 「死に際に迎えにくるのを人間は 死神 なんていうんですよね。」 「……」 「私は今までも晋さんと同じ人間を向かいにいきました。でもあなたみたいな人間は初めてです。生きるのも死ぬのも選べない人は。」 ああ、どうしてだろう。 本当だったらなにも考えず、感じずに入れるはずなのに。 今千華の声は 泣いている。 「私はあなたから記憶と魂を抜き取ります。今日までのあなたは死に、記憶を改ざんして周りの友人から職場の人間から切り離します。」 世の中での天使が行う死は 社会からの隔離… 「そして、私と出会った記憶も消えます。」 「千華…」 それは… 「一時間後、新しい世界で頑張ってください。」 「…嫌だ。    君と       出会った事を忘れてしまうなら。                  俺は 死んだほうがいい。       」  
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