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「どういうこと?」
「そいつは普段、明るくてみんなの人気者だったんだ…。だけど今日は違った。何かにおびえているみたいだった…」
「私の友達もみんなとは仲良くしててそこそこ人気者だったよ」
香奈は俯きながら話を続けた。
「私とその友達は今日一緒に帰る予定だったの…。でも、その友達は…『トイレ行くから先に行って』て言い出して、それで私は待ってたの…。でも来なかった。友達が入っていたトイレには誰もいなかったの…。あったのは液晶に傷が入った携帯電話があって…」
「携帯電話!?未送信メールのボックスみたか?」
「えっ?だって、携帯電話の電源つかなかったよ?」
「その携帯電話どうした!?」
「斎藤(さいとう)先生が持ってるけど…」
僕は傘を香奈に返した。
「えっ?ちょ…。どこ行くの!?」
「悪い!先帰ってて!」
雨がパラパラと降る中、傘を持たずに全力で学校に向かった。
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