赤い糸

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
      サヨナラを告げたあの日 貴方は どんな顔で 私を見てたのかな…   振り返る勇気などなく 貴方の部屋を 後にした     貴方の声 貴方の温もりを 消せぬまま 寒い冬が来た   毎年行われる 街のイルミネーションも 今年は少し 寂しく写る   隣に 貴方が居ないからかな     行き交う カップル達の波 俯き歩く私   携帯の着信に 足を止め デスプレイを覗く   画面に写る名前に 驚き戸惑う内 留守電へ切り替わる   恐る恐る メッセージを聞く私   「去年の方が綺麗だな」   その言葉に 辺りを見渡す   少し離れた場所で 私を見るのは 紛れもなく貴方   私に歩み寄り 優しく抱き寄せ   「傍に居てくれ」と 抱いた手に力を込める   貴方の 精一杯の言葉に 私は頷いた   結ばれる事のない 黒い糸が 赤く染まった Winter Love...          
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!