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「てかあれだ、何か非常に嫌な予感がする。」
部屋で着替えながら呟く俺がいる。
―あー、そういえば5人くらい女の子の靴があったな、そう思ったときにはもう遅かった。いつの間にか捕えられていたのだ。
「…って言わせるんじゃねぇ!」
「いや、解説担当はお兄ちゃんでしょ。」
くそぅ、何も言い返せねぇ…
「とりあえずこの生け贄をどうしようか話し合いたいと思います。」
「捕らえる前に決めておけ!」
「お兄ちゃんうるさい。」
いやいや、俺全く関係ねぇし。てか何されるの、俺。
「とりあえずコスプレか全身に落書きかで多数決をとりたいと思います。」
「とりあえずってなんだよ!?その前に結局脱ぐのかよ!?」
「ヤダ、決まってるじゃん。拒否権はないから。」
ははーん、この分だと遅かれ早かれ脱がされることは確定したようだな?それなら考えることはひとつ。
「逃げる!」
「あ!」
窓から飛び出して逃げる俺。2階だしな、飛び降りても死にはしない。
「捕まえろー!」
「オー!」
というわけでご飯の時間まですっかり追いかけっこを楽しんだ俺たちであった。で、結局どうなったかと言うと、
「つーか5対1で勝てる訳ねぇじゃん。」
「陸上部なんだからこのくらいハンデがなきゃ。」
「ねぇ、あなたのお兄ちゃん、もっとイジっていい?」
「うん、いいよ?」
「疑問系はやめろ。」
こんな感じで捕まってしまったのであった。勝てる訳ないよな、普通。逃亡中ってゲームじゃないんだし。
「てか皆さんなぜ目が輝いていらっしゃるのでしょうか?」
「さあ?」
「気のせいよ、お兄ちゃん♪」
今日だけで妹が5人くらい増えた気がする。しかもSな妹が。
「あの…これ、着けてみてください。」
と言って手渡されたのは猫耳、尻尾など、簡単に言えば猫セットだ。ちなみにこの子は西園寺可憐。ちょっと変わった雰囲気の持ち主。
「…え?」
「…駄目ですか?」
いや、そういう風に上目で見られると非常に困るのだが。
「…着けてくれるまでずっとこうやって見てますから。」
「あーもう、着ければいいんだろ、着ければ!」
こっちが先に折れた。いや、折れざるを得なかった。このまま折れないと大変なことになるだろうしね。で、装着してやった。
「このまま撮影会やらない?」
「やろーやろー!」
この2人は石黒佳奈と茉奈。一卵性の双子だ。佳奈は美羽と同級生である。
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