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目が覚めるとそこは病院の一室だった。
「お兄ちゃん!?」
抱きついてくる美羽。ああ、俺は撃たれたんだったな。
「あの、大丈夫でしょうか?」
「ああ、なんとか生きてるよ。」
「よかった…」
部屋を見渡すといろんな人がいた。
俺を手術してくれたと思われる担当医。付き添いの看護婦。安心したように笑うお袋、親父。今俺の胸元で泣きじゃくっている美羽。話を聞き付けてきた涼子と日和。あの時いた可憐、佳奈、茉奈、玲子、忍。あとは生徒会の牧野先輩、藤村先輩、坂本先輩。
「…よくこの部屋にこの人数入れたな。」
「それは聞かないお約束ですの。」
「わかってる。わかってるから聞きたいんだよ。」
「強いて言うならお金…」「いや、本当でも言うなよ。」
笑いが起こる。
「さて、私たちは帰るわ。」
「もう帰られるんですか?」
「起きて元気なところ見れたしね。それじゃまた、学校で。」
「ばいばーい!」
「それじゃあ、失礼しましたぁ。」
生徒会の面々帰宅。まあ、一番関係ない人たちだしね。
「ホントにあの時はごめんなさいね?」
「あー、うん。あんたが暴走するのはよくわかった。」
「可憐もこれ以上暴走しないように手術してもらったら?」
「たら?」
「こらー!」
「きゃー!」
「きゃー!」
元気な双子と暴走娘その1は走って出ていった。元気だなぁ。
「本当に大丈夫ですの?」「あぁ、一応は。」
「安心したぞ、うん。」
忍がやけに偉そうなのは気のせいか?
「まあ、それなら、また遊んでくださいね?」
「今度はお手柔らかにね。」
「ふふっ…それでは。」
「さらばだ!」
ただ言ってみたかっただけだろうな、最後の忍の台詞。会話に絡んでこなかったし。
「ははは…」
ついていけない日和。そらまあ当然であろう。
「それじゃ、私たちも帰ろっか。」
「そうですわね。では、ごきげんよう。」
「じゃね。」
あっという間に部屋には数人いるだけになった。
「ところで、俺はどのくらい眠っていたんだ?」
「5日間。とっても長かったわよ?」
「うんうん。帰ってきたら退院パーティやろうかって話もはずんでな。」
俺がいない間に話が大きくなってる…
「運よく心臓には当たっていなかったんですよ。ただ、その近くの筋肉に当たった関係で、血流が止まっていたようです。」
「はあ、そうですか。」
俺は胸を撫で下ろした。
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